はじめに
「なんだかモヤモヤする」「理由はわからないけど落ち着かない」──そんな感覚を抱えることはありませんか?
実はこの「言葉にできないモヤモヤ」は、私たちの内側からの大切なサインかもしれません。
感情をうまく言語化できないからといって、それが悪いわけではないのです。
この記事では、モヤモヤした気持ちとやさしく向き合う方法を、心理学とマインドフルネスの視点から紹介します。
モヤモヤ=悪いもの、ではない
私たちは「ポジティブに考えよう」「すぐに整理しよう」としがちですが、感情は必ずしも“ハッキリさせる”必要はありません。
モヤモヤしている状態は、「自分の中にまだ消化しきれていない何かがある」という正常なサイン。
それを無理に意味づけたり、排除しようとすると、むしろ混乱は深まってしまいます。
大切なのは、わからないまま、そこに“いていい”と認めることです。
曖昧さをそのままにする力
心理学では、はっきりと定義できない感情や思考を「曖昧さ耐性(あいまいさたいせい)」という概念で扱います。
曖昧さを受け入れる力があると、
- 決断を急がずにすむ
- 自己否定に巻き込まれにくくなる
- 他人の言動に過剰反応しなくなる
つまり、「モヤモヤをそのままにしておける力」は、心の柔軟性にもつながっているのです。
マインドフルネスが“曖昧な感情”を支える
マインドフルネスの基本は、「今ここ」にただ気づき、判断せずに観察すること。
モヤモヤに対しても、「なぜこんな気持ちになるのか?」と分析するのではなく、
- 「そう感じている自分がいる」
- 「この感覚はどこにある?」
- 「どんな色・重さ・温度に近い?」
といった形で、感覚そのものに意識を向ける練習が役立ちます。
モヤモヤを「書き出す」ことで見えてくること
感情をそのまま書き出すのも、有効なアプローチです。
たとえば、次のような形で書いてみてください:
- 「今、なんとなく〜な感じがする」
- 「理由ははっきりしないけど、〇〇が引っかかっている気がする」
- 「うまく言えないけど、言葉にしたい」
言語化できないからこそ、曖昧なまま書いてみることがポイントです。
書いているうちに、ほんの少しだけ感情の輪郭が見えてくることがあります。
“わからないまま、共にいる”という選択
すぐに正解や意味を求めるのではなく、モヤモヤと一緒にいる時間を許すこと。
それが結果的に、感情との信頼関係を育て、内面の安全基地になっていきます。
「わからないけど、大丈夫」
「言葉にならないけど、感じている」
そんな状態を肯定できると、心の深い安心感につながります。
まとめ
- モヤモヤは感情からの自然なサインであり、悪いものではない
- 曖昧な感情を無理に意味づけず、受け入れる力が大切
- マインドフルネスは、曖昧さにとどまる力を育てる
- 言葉にできない感情は、そのまま書き出すことで輪郭が見えてくる
- 「わからないままでもOK」とすることで、内面の安定感が増す
感情は、いつも言葉になるわけではありません。
でも、感じようとする姿勢そのものが、あなたの心を支えてくれるのです。
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