はじめに
あの名作アニメで耳にする、印象的なセリフ──「面白くなってきやがった」。
この言葉には、驚くほどの力が宿っています。困難やプレッシャーの中で、あなたに勇気を与える魔法のスイッチです。
心理学には「リアプレイザル(Reappraisal)」という技術があります。
これは、出来事に対する見方を意識的に変えることで、怒りや不安、緊張といった感情を、前向きなエネルギーに変換する方法です。
本記事では、「面白くなってきた」という一言を起点に、リアプレイザルの本質と実践方法をやさしく解説します。
リアプレイザルとは何か?
リアプレイザルとは、心理学で「認知的再評価」と呼ばれる感情調整法のひとつです。
語源を分解すると、「re=再び」「appraisal=評価」。つまり、「出来事の意味づけを再構成する」という意味になります。
たとえば、仕事でミスをしてしまったとき、「また怒られる」と思えば気分は沈みますが、
「大きな失敗を防げた」「修正できてよかった」と捉えるだけで、気持ちはぐっと軽くなります。
リアプレイザルは、感情の「前提」を変える技術です。
認知行動療法などでも活用されており、うつ・不安・怒りの軽減にも効果があると実証されています。
「面白くなってきた」は感情のトリガー
「面白くなってきた」と口に出してみてください。
実はこのセリフ、ただの盛り上がりではなく、感情のスイッチを入れる自然なリアプレイザルなのです。
本来、緊張や困難に直面したとき、人は「怖い」「逃げたい」と感じます。
でもそこで「面白くなってきた」と切り替えることができれば、状況の見方自体が変わります。
これは、脅威を「挑戦」や「成長の場」に再評価する思考習慣であり、自分の感情を前向きに導く力そのものです。
リアプレイザルの実践ステップ
リアプレイザルは練習によって身につきます。以下の5ステップで習得を目指しましょう。
- ステップ1:感情を言葉にする
「イライラしてる」「緊張してる」など、まず自分の感情を認識します。 - ステップ2:自動思考をとらえる
「うまくいかない」「怒られる」など、無意識の反応を見つけます。 - ステップ3:別の見方を探す
「これは練習のチャンスだ」といった前向きな解釈を考えます。 - ステップ4:新しい解釈に切り替える
見方を変えたあとは、言葉や行動にも反映させます。 - ステップ5:感情の変化を観察する
「少し冷静になれたか?」と自分の変化を確認します。
このプロセスを繰り返すことで、感情をうまく扱う力が自然と育ちます。
このプロセスを繰り返すことで、感情をうまく扱う力が自然と育ちます。
あわせて、「今この瞬間」に意識を戻す考え方として、
👉 マインドフルネスのやさしい解説はこちら も参考になります。
リアプレイザルは日常でも使える
リアプレイザルは特別な訓練がなくても、日常のあらゆる場面で使えます。
- 仕事のプレッシャー:「失敗できない」→「期待されている証拠だ」
- 人間関係の衝突:「嫌われたかも」→「本音で話せたからこそ」
- 試験や面接の緊張:「失敗したらどうしよう」→「この緊張が集中力をくれる」
こうした小さな再評価の積み重ねが、あなたの「感情に流されない力」になります。
おわりに
「面白くなってきた」──この言葉を口にするだけで、目の前の困難が「挑戦の舞台」に変わる。
リアプレイザルは、誰にでもできる感情の整え方です。
難しい理屈や特別な技術は必要ありません。
視点を変えるだけで、心の反応は大きく変わります。
不安・怒り・緊張に振り回されないために、ほんの少し視点をズラしてみてください。
そして、どうか、不敵に笑ってつぶやいてみてください。
「面白くなってきた」
きっとあなたは、もう大丈夫です。
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